旅する人生に音楽を

人生がどのように流れていくかは、きっと誰にも分らない。

横スクロール?

縦スクロール?

中心から拡がってみたり、

紙芝居のそれで、突然切り替わったりする。

 

振り返れば不器用な人生だった。

上手く潜り抜けたりはできなかった。

おでこをぶつけたり。

目をつむったまま突っ込んでしまったり。

 

不器用な人生で一番大切にしたいと思ったことは出会い。

旅を通して知ったこと。

そしてこの先もきっとそうだ。

 

母を抱いて、父を思う。

人生は誰ぞ複雑だ。

人には言えない、見せないページがあるものだ。

 

そんな人生で、あの歌のように。

地図を見下ろすこともある。

 

あの歌のように、

そこに立ってわかることもある。

 

いつも心に寄り添うように。

僕の人生には音楽がある。

さりとて詳しいわけじゃない。

 

それでも思うんだ。

雨の日。

ラジオ。

ワイパーの音。

 

母に、この曲が終わるまで待ってと言った。

母と一緒に終わるまで聞いた。

 

雨音。

ワイパーが刻む。

エンジンを切ったらこもりがちな雨音がメインをはる。

 

そんな思いでと今の自分。

 

大丈夫。

音楽が鳴っている。

不安もあるけど。

あの日と同じ。

音楽が鳴っている。

母と聞いたラジオ